筒井康隆「懲戒の部屋 自選ホラー傑作集1」
筒井さんの自選のホラーの短編集です。
飲み屋で力士のことを話題にしたことからどこまでも追いかけられる「走る取的」。若い力士のことを取的と言うのですね。
駅員がいなかったのでつい無賃乗車をしたら駅員から徹底的に断罪される「乗越駅の刑罰」。
痴漢に間違えられ女性からこれも徹底的の断罪される「懲戒の部屋」。
この3つは、どうしようもないくらいの逃げ場がないということで恐ろしかったです。ただ、本人にも驕りの気持ちがあったことは否めません。
他の作品もそうですが、ホラーと言っても心霊的なものではなく、ふとしたことで落ち込む恐怖の世界です