オルダス・ハクスリー「すばらしい新世界」
本の題名になっている「すばらしい新世界」BRAVE NEW WORLD。これはシェイクスピアの「テンペスト」のミランダの台詞ということです。
この物語は”九年戦争”の後、暴力を排除し、共生・個性・安定をスローガンとする清潔で文明的な世界が舞台。すべてのディストピア小説の源流ということですが、オーウェルの「1984」が暗いイメージであるのに対し、これは白のイメージ。人間は受精卵の段階から選別され、刷り込み的な成長過程を経て、誰もが現実世界に疑問を持たない。社会に不安をもたらす可能性があるものは消去されているのです。シェイクスピアもその一つ。この社会から事故で排除され自然分娩で生まれていきたの野人と呼ばれたジョン。彼は保護区で育ち、シェイクスピアで人生を学んだのです。彼が巻き起こした出来事は。。。。