小川洋子「夜明けの縁をさ迷う人々」

小川洋子「夜明けの縁をさ迷う人々」
最初の話が、三塁側ファールグラウンドでいつも逆立ちの練習をしている曲芸師のおかげで流し打ちの腕をあげた「曲芸と野球」。こんな不思議な話ばかり九つの短編が収められています。現実なのか幻想なのか、それ故「夜明けの縁をさ迷う」という題名がつけられてのでしょう。そして最後の話も延々に続く甲子園の決勝戦の「再試合」という野球もの。野球で始まり野球で終わります。