ジョージ・エリオット「ミドルマーチ3」
この「ミドルマーチ」は1冊が400頁超えで、巻数も4冊ですが、面白いです。
ドロシアの物語は、夫のカソーボンが従弟のラディスローと結婚した財産は渡さないという遺言を残します。第2巻のフェザストーンの遺言といい、この辺りの比較というものが物語を面白くしてます。人は嫉妬や欲望に目が眩むと冷静さを欠いてしまうのでしょう。
リドゲイドの物語としては妻のドロシアの散財故に借金が膨らみとうとう家にあるものを担保として差し出すことになってしまいます。ドロシアは己を反省しようともせず二人の先行きに暗雲が垂れ込めます。
ドロシアの兄のフレッドは愛するメアリ・ガースと結婚したいがために、心を入れ直す決心をしてメアリの父の元で働く決心をします。
そして、この巻のクライマックスは、ラディスローの生い立ちが明らかになり、登場人物達が細いけれどなにがしかの繋がりがあることが読者には分かってきます。