馳星周「北辰の門」
「比ぶ者なき」の藤原不比等に始まる藤原氏シリーズの第3弾。今回の主人公は藤原仲麻呂。日本史では恵美押勝の乱で出てきます。
北辰とは北極星の異称で、天子の居るところ皇居をさします。仲麻呂は唐の政治に憧れ皇帝になろうと権力を握っていきます。祭祀は天皇、政治は皇帝と考えるのです。しかし、そのあまりにも非情で打算的な政治手腕が貴族たちの反感を招きます。彼の失脚の元は、光明皇后の死、そして孝謙上皇の反感があります。孝謙上皇と言えば弓削道鏡が登場してきます。孝謙上皇の師である吉備真備が仲麻呂を追い詰めていくとは知りませんでした