平中悠一編「シティポップ短編集」
僕の好きな片岡義男さんの作品が二作掲載されているということで買いました。
最近のシティポップの流行に影響されてか、その時代のシティポップを感じさせる作品をいくつかまとめた短編集です。
僕はこの本の編者でもあった平中悠一さんの巻末の解説ではなくライナーノーツを先に読みました。このライナーノーツが良いです。
シティポップという音楽のことについては触れてありますが、音楽論というほどのものではありません。勿論、僕の好きな山下達郎や南佳孝などの名前もあがっています。
「ライ麦畑でつかまえて」は原題「ライ麦畑のキャッチャー(捕まえ手)」の「手」の連用形の「て」に変えるという閃きだったとは。今まで原題と邦訳の違いに疑問があったけど、すごく納得しました。平中さんの今回の編集について「80年代日本の都会のミニマリズム文学、というひとつのクライテリア(目安)で集成してみたが、大きくいって、これは美学と文体を基準とした標定だった」という。片岡作品の本質は完成度を追求するため必要最小限度まで省略するというミニマリズムだったんです。松任谷由美が自分の作品に自信があるので編曲(アレンジ)はどうなっても構わないと言ったよいう。などなど。。。

 

 

  •