池上俊一「魔女と聖女」
魔女に関する本かと思って読みましたが、魔女とか聖女について触れてあるのは初めの方だけです。中世における女性の地位ということを知りたい方向けですね。魔女については岩波新書の「魔女狩り」の方がよく分かります。
挿絵などが多く、それについては楽しめます。あまり中世の女性の地位については考えたこともなかったので、初めて知ったことも多かったです。時代が進むにつれて女性の地位が順番に高くなったわけでもなく、社会背景によって逆戻りすることもありますね。日本においても鎌倉時代などは割りに高かったですが、明治民法が江戸時代の流れを汲んで武士以外の一般民にも家父長制が強くなってしまったこともその一つなのでしょうか。
「愛は12世紀の発明」だと言われているのは初めて知りました。この時期には、洗練された高貴で情熱的な恋愛が称揚され、さかんに詩歌が歌われたそうです。日本の源氏物語が11世紀頃なので世界史的に似ているのでしょうか。。。