太宰治「パンドラの匣」
「正義と微笑」と「パンドラの匣」の二編。どちらの主人公もモデルがいるということです。
最初が「正義と微笑」で読んでいて主人公がアクティブで雰囲気がいつもと違うなと思ってたら、太宰自身のことじゃないからなのですね。自分の進路に思い悩む中
学生の日記形式です。最終的には歌舞伎の道に入り成功していきます
「パンドラの匣」は結核で「健康道場」という療養施設に入った青年の手紙形式の物語です。結核という病気でありながら暗くなく、療養所の助手と呼ばれる看護婦さんたちとの触れ合いが若者らしく描かれています。ただ、解説によるとモデルとなった青年は若くして亡くなったそうです。人の悪いものが飛び出したパンドラの匣、でも残ったのが希望。そういう思いなのでしょう