ルナアル「にんじん」
この本のことは、昔は「赤毛のアン」のような物語と思ってましたが、先日の鹿島さんのフランス文学の紹介の本で母親の息子への虐待の物語と認識したのですが。。。実際読んでみると、何だろう。。。息子を愛せない母親、母親を愛せない息子。。。どっちなんだろう、と悩んでしまいました。
「にんじん」と呼ばれるのは一番下の男の子。彼の上には兄と姉がいます。この二人は母親からは嫌われていないようです。ということは下の息子だけを嫌っていたということです。後書きには、作者のルナアル自身がモデルだと書かれてました。
ところどころには母親がにんじんを可愛がる場面もあり、にんじんも母親思いの場面もあるし、実際はどうなのでしょうか。母子ともに屈折した感情というものがあったのでしょうか。不幸な物語とも言えます。
ところで、この本の挿絵も素敵です