ロジェ・マルタン・デュ・ガール「チボー家の人々11 エピローグⅠ」
エピローグだけで2巻あります。巻末には、「一九一四年夏」が出版された時に多くの人々が「チボー家の人々」は完結したのだと考えたようです。それに対し著者のデュ・ガールはエピローグがあることを読者に知らせるよう出版社に申し入れたそうです。
このエピローグを読んでみると、ジャックの死があまりにも熱い故に予熱というものを感じます。
このエピローグは1918年5月の出来事です。ジャックが死んで3年以上たってます。ジェンニーはジャックの子供を産んでいます。アントワーヌはドイツの毒ガスにやられ療養生活を送っています。アントワーヌはジェンニーの母が営む戦傷者の病院を訪れます。そこには片脚を失ったダニエルもいます。彼はそこで弟ジャックの影を残された人々から感じていきます。
この物語の時点では第一次世界大戦はまだ終わっておらず遠雷のような感じです