ショウペンハウエル「読書について」
「いかに(知識を)多量にかき集めても、自分で考えぬいた知識でなければその価値は疑問」と言うショウペンハウエル。したがって「読書は他人にものを考えてもらうことである。1日を多読に費やす勤勉な人間はしだいに自分でものを考える力を失っていく」ことになるのです。
やっぱりそうか、と納得してしまう僕です。。。
ということで、読書を賛歌する本かと思えば、辛辣に批評してくれます。
ショウペンハウエルは、この本でドイツ語の衰えについて嘆いています。これは現代日本語についても同様なことが言えるかもです。この本ではヘーゲル一派に対する分かりにくい記述についても批判してます。ショウペンハウエルのヘーゲル嫌いは哲学史の本でも語られますが、こういうところにあったのだなと分かりました。ヘーゲルの著作の分かりにくさは有名ですものね。この例えとしてシェイクスピアの「話があるんなら、そのへんの野郎の言葉でやってくれ」の引用が納得でした。