片岡義男「恋愛小説3」
読んでる途中からこの本の題名が「恋愛小説」ということを忘れてしまいました。片岡さんにとって恋愛という言葉の意味は、男女間という枠から飛び出しているような気がします。人が二人いれば男女、男男、女女の間におこるものは恋愛関係。時には人が三人いれば、そこにも恋愛関係は成り立つ。反対に一人だけでも、愛する対象を自己の中に見出し、恋愛関係があるとも片岡さんは語っているようにも思えます。ここまでいくと、恋愛関係=人類愛とも言えるのかもしれません。
この本には6つの短編が収められています。そしてその短編毎に福島礼子さんと言う方が解説をつけられています。この解説もなかなか素晴らしい内容です