廣野由美子「批評理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義」
京大の教授の廣野さんが京都大学総合人間学部で行った英米文芸表象論講義のノートを元にして書かれたものなので読み応えがあります。文芸批評の視点もまとめてあります。それをメアリ・シェリーの「フランケンシュタイン」が題材になっていて、いろんな視点で分析されてます。本の内容から映画までに及んでいて、これほど「フランケンシュタイン」が分析されてる本はないかと思います。
シェリーの「フランケンシュタイン」は僕がかなり若い時に読んだもので、その時はブラム・ストーカーの「ドラキュラ」と比べて物語が暗く面白くないなと思ってました。しかし、それはシェリーの生い立ちからの分析ではそういう傾向になるのだということが分かりました。他にも、物語の構成がどういう風にできているのかということが詳しく書かれており、久々に再読しようかと思ってます。昔読んだのは文庫本で、なにやら暗い印象の挿絵が載っていたような覚えがありますが、どこの出版社だったのかなぁ。。。
それから、ストーリーとプロットの違いを今回初めて知りました
廣野さんの続編もあるようなので、読んでみようかなと思ってます。次は「ミドルマーチ」が題材になっています。そもそもは「ミドルマーチ」を読もうかなと思って調べていたら、この本に出合ったのです