ロジェ・マルタン・デュ・ガー「チボー家の人々5 診察」
このチボー家の人々シリーズは巻が変わるごとに大きく転換してます。今回は、チボー家の兄アントワーヌの一日です。
医者として着実に歩み出しているのは兄アントワーヌ。弟のジャックは行方不明で死んだとも思われ始めています。
アントワーヌはラシェルに去られた後、妹のように育てられたジゼールに対し結婚したいという思いがあります。しかし、ジゼールはジャックに恋をしておりロンドンで見かけたという噂を信じロンドンに住もうとしてます。そしてアントワーヌとジャックの父親のチボー氏はあれほど父親としての強権を持っていたのに今では死の床についているのです。
このような状況の中のアントワーヌの一日は医師として多忙を極めています。助からない知り合いの子供に安楽死をさせるかどうかということに対しアントワーヌは反対の立場を示します。一方では、第一次世界大戦の足音が大きくなってきているのでした