小野寺史宜「ひと」
東京の大学生であった柏木聖輔は数年前に父親を事故で亡くし、今度は母親を病気で亡くしてしまいます。一人になった彼は大学も辞め就職先を探している時に、砂町銀座商店街の総菜屋さんで唯一所持金で買えた1つだけ残っていた50円のコロッケを後から買いに来たお婆さんに譲ります。そこから、彼の人との縁が繋がっていきます。
この物語の主人公の聖輔はひたすら真面目に生きます。人より前に出ず非難せず思いやりを持って生きています。それは著者の小野寺史宜さん自身がそういう人なのかなと思えてきました。