凪良ゆう「星を編む」
2023年の本屋大賞受賞作「汝、星のごとく」の続編で、この本は2024年の本屋大賞ノミネート作品です。
今回は、3つの中編が収められてます。
一つ目は「春に翔ぶ」。これは北原先生の「星を編む」に入るまでの人生。限りなく人に優しい北原先生の父親。しかし、自分の子供である北原先生は他人の犠牲となり我慢の人生を送ってきたのです。
二つ目は「星を編む」。前作の主人公の櫂くんの遺作とも言える作品を世に出す編集者の二人。あまりにも物分かりの良さに隠された本音が読めず、甘えた結果は。。。
三つめは「波を渡る」。北原先生と暁海の櫂くん亡き後の人生。大切な人を亡くした後、どう生きていけばよいのか。
三つの作品が、少しずつ異なる主張をして、僕たちに苦しい時にどう生きて行けばいいのかを教えてくれます。

わたしにとって櫂は煌めく花火だった。
そして北原先生は海だった。
いつかわたしの命が尽きるときがきても、この海に還るのならば怖くない。燃え尽きて、煌めきながら海へと還っていく幾千の光の行く先を、わたしたちは見つめ続ける。


還っていける海を見つけたいですね。。。