森博嗣「有限と微小のパン」
これはバーチャルの世界でありSF的と言ってもいいんかなと思います。
このS&Mシリーズにおいてラストを飾るのに相応しい内容だったかなと思います。非常に面白かったです。舞台のモデルになってるのは長崎のハウステンボスなのでしょうか。そこだったら行ったことがあります。
ストーリーの展開字体も単なるミステリというより、犀川先生の物事の見方というのがその範疇を越えているようです。それは著者である森博嗣さんの思考であるはずです。天才のひとつの定義を知ることがでました。その内容はミステリの謎あかしより興味深く読むことができました。
真賀田四季博士という人物も非常に面白く、S&Mシリーズはこれでおしまいですが、他のシリーズでも登場してくるようで、そちらの方も読んでいきたいです。

ところで、死ぬか生きるか、などというと、相反する、両極のような状態に感じてしまう。少なくとも、人間はそう感じるように作られている。だが、ライトは違う。ライトは点いたり消えたりすることができる。つまり、ライトの方が人間よりも少し機能的だ。

おそらく、何かを諦める瞬間の繰り返し・・・・。
その蓄積が、大人になることと同義だから、と犀川は思った。

その言葉こそ、人類の墓標に刻まれるべき一言です。神様、よくわかりませんでした・・・・ってね
(略)
ええ、人類の墓標なのですから、それをお読みになるのは、神様しかいないわ