大江健三郎「万延元年のフットボール」
読書会の課題本ということもあり3回目の読了となります。
1回目は学生時代。あの時は面白いとも思わなかった。2回目は少し前。これは面白い作品だと思いました。そして、今回3回目の読書。やっぱりすごいです。
つかみどころはあり過ぎるというか、奥が深くて、様々な読み取りができます。
解説に大江さんが詩を好んでいることが書かれてました。確かに大江作品では、詩がよく触れられていて、モチーフの一つになってると思います。今回読んでいて、大江さんの文章は確かに散文ではありますが、詩的な表現になってると思いました。言葉なり文、文章から、様々なイメージを膨らませることができます。それ故に読み取りは読み手によって様々になっていきます。書かれている文章が情報を端的に伝えてないのです。
この作品がノーベル文学賞の対象作品の一つになったことは十分納得できます。