古川日出男訳「平家物語 3」
一つ鳴れ。鳴らせよ。よ!
また一つ鳴れ。二つめの撥(ばち)、鳴らせ。た!
いま一つ鳴れ。三つめの撥、鳴らせ。は!
それから控えよ。この三面。この撥三つ。
琵琶と琵琶と琵琶
これは原作にもあるのでしょうか?古川日出男さんの創作か。
薩摩の守の右腕を。
その腕を、肘の上から。
切り落とす。ふっと。
腕が、離れる。
腕が消える。
そして、これ。「犬王」の魔物に憑りつかれた犬王の長すぎる腕が消え去る場面。
と、犬王の世界と交錯させながら読んでいます。
この第3巻は、木曽義仲が義経に敗退させられる話。そして、いよいよ義経と平家の対決の第1ラウンドの一の谷の戦い。うーーん、なんか読んでて、ホメロスのイーリアスも思い出してきました