片岡義男「結婚のヒント」
女性編集者が複数の男性を集めて座談会を開催します。1回目は独身の男性5人。2回目は結婚の経験のある作家3人で、そのうち2人は離婚経験があるという設定です。片岡さんの創作の小説でありますが、座談会で語られたことが綴られているという小説なのです。
外面は本質と密接につながっているとするなら、外面のすべては内面ですよ。
プロポーズというものが、正当な遠近法を逸脱して、巨大になりすぎている。
そして、読み終わった本は、閉じるほかない。
語ることによってこそ、彼女の不倫は完結していく
闘いに音を上げ、闘うことを止め、代わって夫に闘ってもらおうときめた女性が結婚するのだ
仕事を中心にいろんな都合を組み立て、仕事をどうこなしていくか、ハウ。トゥーはよく出来る人でも、ではそのあなたはなになのと、ホワットが出て来るともう駄目だ。(略)自分とはなになの、と質問されると、仕事に貼りついた自分しか出て来ない。
日本がかかえ込んだ非効率の最大のものが、うちのかみさんだ。女性という人材を、会社の都合でしかない家庭の、再生産の場に閉じ込めたのだから
男は記憶を貯め込むんだ
離婚そのものの原因は、結婚したことにある
別れる、と女性のほうから言われたら、男はもうなにも出来はしない。
大人の男女関係とは、たちえばモノポリーのようなひとつのボードゲームみたいなものなんだ。