原武史「滝山コミューン1974」
ジョージ・オーウェルの「1984」を彷彿させる表紙。ディストピアを想像させる意図もあるのでしょう。國分功一郎さんの本で紹介されていて読んでみました。
この本は著者の原武史さんが小学校の時の経験を元に、ご自分のトラウマを解消させたいが如くに書かれた感じがします。
原さんが通ったのは郊外のマンモス団地の中にあった小学校。その当時民主的だと言われた教育活動であった「班競争」「代表児童委員会」「水道方式」などコミューン的な活動の中で原少年は精神的に追い詰められていきます。
教育実践というのは教師の側から語られる場合がほとんどですが、子供の側から見た体験談と言えます。
やはり、僕らは想像力を逞しくして、いろんな人の立場や思いを考える必要があるのだと思います