小川洋子「まぶた」
これは8つの物語が収録されている短編集です。割と分かり易い内容や、あれっと頭を抱える物もあります。すっくりと理解させてくれない小川洋子さんの世界観ですね。
表題の「まぶた」。15歳のわたしは自分の父親より年上の男Nの家に通います。いっしょに食事にお店に入っても支払うお金も持ってません。Nの家に行くとわたしは誰かに見られている気がするのです。Nはまぶたを切り取られた目をつむることができないハムスターを飼っている。最後は少女誘拐犯としてNは逮捕されてしまいます。この話には、どんなメタファーが潜んでいるのか。。。不安感。価値観の損失。。。