平野啓一郎「三島由紀夫論」
正直、最初は読むのに苦労しました。先日までは枕元で睡眠導入剤の役割を果たしてくれてました。意を決して読み始めたら面白く、後半は一気読みでした。
この三島由紀夫論は、三島の作家としての活動を4つの時期に分けて、「仮面の告白」「金閣寺」「英霊の声」「豊穣の海」という構成になっています。しかし、これは、この4つの作品の解説本ではありません。
表紙を見て分かるように、平野啓一郎さんの名前と本の題名が同じ大きさです。そして題名も「三島由紀夫論」という「論」です。
この本は、平野啓一郎さんが三島由紀夫という作家を論じたものです。三島がどういう思想を持って作品を書いており、あのような結末に至ったかということを述べられています。それ故、平野さんの書かれる文章は仏教用語や哲学的な用語が多く、僕の頭では簡単に理解できるものではありませんでした。
また、平野さんなりの分析であり、三島を平野さんといっしょに考えていくというものだと思います。言い換えれば平野さんの目を通して三島由紀夫という作家を見るという内容だと思います。
難解でしたが、とても有意義な読書体験でした
この本で使われていた仏教用語については、また勉強したいと思いました