高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」
芥川賞受賞作品。題名通りのグルメ作品ではありません。ごはんに関しているのなら、主人公の一人二谷の食に関する価値観は、合理的に食べられればいいというもの。しかし、そのことは決して人には見せない。このことに表されているように、人の心の奥底は決して分からない。他人とうまくやっていくためには、というより、うまくやっていきたいと思う人には、自分の本音を出してはいけない。
二谷が結婚してもいいかなと思う女性が職場に作ってくるスイーツ。うれしくもらいのだが、後で捨てている二谷。表面だけで二谷はつきあっている。もう一人の押尾という女性とは、割と本音で語り合うこともできるが、恋人関係ではない。
本音と建て前の物語とも言えるのかな。。。このような視点の持ち方は、結構面白かった