小川洋子「薬指の標本」
小川洋子さんの不思議でもあり恐ろしくもある物語二編。
一つ目は「薬指の標本」
依頼があれば何でも標本にする標本室で働き出したOL。彼女は前の職場で薬指の先を事故で失っていました。標本室を経営するのは弟子丸さんという人物。なんでも以前働いていた女性職員は突然いなくなってしまっているのです。ここまでですと恐ろしい事件に発展するミステリーですが、小川洋子さんの物語は違います。
二つ目は「六角形の小部屋」
主人公は大学病院の事務室で働くOL。彼女は同じスイミングで知り合った女性の後をつけていきます。行きついた先にあったのは六角形をした小部屋のある建物。この六角形の小部屋に一人で入り中で話したいことを話すだけなのですが、多くの人が訪れているのです。主人公のOLもやがて、その部屋の常連になるのです
小川さんらしく余韻が残るのですが、その意味するところを掴むのは難しいです