プラトン「饗宴」
「ギリシア人の物語」で塩野七生さんがプラトン読むならまずこれということでしたので読んでみました。哲学書というより読み物として面白いです。
ソクラテスやアルキビアデスが喋ってる場面を思い浮かべるだけでわくわくします。
愛の神エロスについての談義。有名なのは喜劇詩人アリストファネスの話。昔、人間は手足4本頭2つの男、女、両性有具者のアンドロギュノスの3種類いて、それが分かれた故、分かれた相手を求めあうというもの。ただ、話の展開はソクラテスの話により次元が高まっていくというものです。
この饗宴で注目したいのは、パイデラスティア(少年愛)の話。これは今言うBLとは違います。訳者の中澤さんは解説で「少年愛とは、女性との愛を排除するようなものではなく、並行して成立する別々の愛の形だったのです」と述べられています。これは三島由紀夫の「仮面の告白」などで見られる主人公の思いと似ているような気がします