ドストエフスキー「悪霊 下」
とにかく今回は面白く読めた。
ネタバレや前知識なしで読むのが本当化もしれないけど、読む視点を持つこともいいことだなと思う。
さて、この作品の悪霊とは、何か。登場人物だと、ピョートル、スタヴローギンら。本の背表紙には無神論的革命思想。僕は、そんなものではないと言うか、それら全て。人を破滅に貶めるもの。例えば、ピョートルは革命集団としての五人の結束を強めるため、裏切り者を仕立て殺人の共同犯とする。そのピョートル自身をそういう道に引き込んだのは何か。革命思想かというと、そんな論理だったものではない。ある意味この物語主人公と言えるスタヴローギンは、ピョートルら一歩距離を置き無神論的な言動を行う。その裏付けは、無神論の反対のもの則ち信仰心とみることもできる。
そして、広く言うと、悪霊に侵されているロシアを自虐的にドストエフスキーは見ているのではないか。人が人として生きるのに必要なものは何か。。。ドストエフスキーはそういうものを追求していったのではないか。それ故に現代社会にも通じるものがあるのだと思います。