サルトル「嘔吐」
サルトルと言えば実存主義。ただ、この作品は実存主義という言葉ができる前に発表されたサルトルの初期の作品。
しかし、実存ならぬ存在ということを課題にした日記形式の作品。
実存、存在、そこにあるという概念だけなら誰にでも理解できる。しかし、西洋の哲学は人の存在理由や神の存在などの真理を追究してきたもの。その上での実存主義を理解しないと、実存なんて当たり前だと考えてしまいがちです。僕もそうでした。
主人公はロカンタン。彼はある日、川も投げ込む石をみて「吐き気」を感じるのです。それは物に対する今までの概念に対する違和感。物の存在とは何か。更に、人間の存在とは何か。。。
サルトルはここから、人としての在り方を思索していきます。
サルトルと言えば「アンガージュマン」という社会参加。この作品では「束縛」という言葉に「アンガジュ」のフリガナがうってあります