ロマン・ローラン「ジャン・クリストフ」2巻
クリストフの自己の理想以外を許すことができない性格というものは何だろう?著者のロマン・ローランのその意図は?
ローランは何故、こういう人物設定をしたのか、どう展開させていくのか、この後が楽しみなのですが、読むのに疲れます。ローランは物語の中に自分の思いを全てぶちこんでいる感じがします。クリストの人生でもあり、ローランの思いでもあるのでしょう。。。
物語は、クリストフはとうとうドイツを逃げ出さざらなくなります。そしてパリー(この本では「パリ」ではなく「パリー」と記述されてます)に行くます。しかし、そのパリーでもクリストフは自己の信念を曲げようとはしません。
この岩波の文庫本のここ2巻までの二冊は、もとの本の5巻分です。後半の展開はどうなるのでしょうか?

人は理性によって創造するのではない、必然の力に駆られて創造するのである。

すべてを所有している時に社会を否定するのは、最上の贅沢である。

人間の力はいかにも弱いもので、最初の坂を上るともう息を切らして立ち止まる。なお前進するだけの丈夫な気息をもってる者は、きわめて少ない。

世間を否定するのはきわめて痛快なことである。しかし世間は青年の放言壮語によってたやすく否定されるものではない。

各フランス人のうちには、ロベスピエールのごとき性質がある。だれかをまたは何かを純粋にせんがためには、いつもその首を切らざるを得なくなる。

男子は作品を作る。しかし女子は男子を作る。

年を取って過激なのは馬鹿の骨頂だ、とゲーテは言った。

私の杯は大きくはないが、しかし私は・・・・・他人の杯で飲む。

ほしいのはその書物であってほかのではなかった。書物を愛する人々は、ややもすれば拝物教徒となりやすい。汚点のある汚いページも、それから夢想の泉がほとばしり出たせいで、神聖なものとなるのである。