大江健三郎「燃えあがる緑の木 第二部 揺れ動く(ヴィシレーション)」
ギー兄さんは反教会派の人達から暴力を振るわれたことを境に、反対に教会への加入者が増えていきます。教会が拡大してく上で、教義の問題なども起きてきます。
教会に神がいないという指摘に対し、「繭に向けて集中する」とい表現がなされます。繭の中になにがあるかは重要ではなく、生き方・魂の在り方が問題なのです。
まず、この繭と言う言葉は、村上春樹さんの「1Q84」にも出てきた言葉です。こういう風に、特徴的な言葉は、いくつかの作品で使われることにより、メタファーの度合いが増してくると思います。
この第二部では、ギー兄さんの父親であり理解者となった総領事が亡くなります。こでは第一部でオーバーが亡くなったこととの関連性で考えるべきなのでしょう。この二つの出来事は、ギー兄さんに転換をもたらすものになるのでしょう
第ニ部を読み終わったところでも、僕には、大江さんが強く意図するものが、まだ見えてきません。第三部の完結を読み終わってから、また考えたいと思います