多和田葉子「献灯使」
2018年に全米図書賞翻訳部門で受賞した作品です。
大震災後の日本は鎖国状態となり、放射能汚染のせいか、老人は死ねない体に、反対に若者が虚弱体質になってしまった。
百歳を超す義郎は曾孫の無名のことが心配でたまらない。そんな無名が密かに外国に旅立つ「献灯使」に選ばれる。
普通「けんとうし」は「遣唐使」なのですが「献灯使」と書くように、物語の中では鎖国故に外来語が意味ありげな漢字に変えられたりしてます。

インターネットがなくなった日を祝う「御婦裸淫の日」
江戸のエゴイズム「エドイズム」
新しく選挙で選ばれた議員たちは一体どこで仕事をしているのだろう
岩手まで とは made in Iwate のことかな などなど
ドイツに住む多和田さんならではの日本語の見方なのでしょうか。。。
ヨーロッパでは村上春樹さんに次いで日本でノーベル文学賞を受賞する可能性のある人なのだそうです