ジャック・ロンドン「野性の呼び声」
この本を読むまでずーーーと「野性の叫び声」だと思ってました。
アラスカでのゴールド・ラッシュを舞台に普通の飼い犬だったバックが野性に目覚め自然に戻っていく話です。前回、読んだ「白い牙」のファングとは全く反対。出版されたのは、この「野性の叫び声」が先です。
当時アメリカでは「ネイチャーフェイカーズ(自然を偽る者)」として動物たちの「嘘」の記述ということで批判され、シートンなどは消え去っていったそうです。
そんなかでも、このロンドンの作品は読み継がれていったそうです。
物語などはもともとフィクションなのですが、どうなんでしょう
この作品では、主人公の犬のバックが野性に目覚めていく様子が興味深く描かれています。確かにそれは動物のものではなく、人間のようでもあります。ただ、誰も動物になったことがないので、嘘か本当かは分かりません。
一方で人間の愚かさも描かれています。動物を理解しようとしない人間の末路、理解できても人間同士の諍い。。。