小川哲「地図と拳」
直木賞受賞作品です。満州を取り扱ってるということで読みました。とにかく分厚い!
最近の直木賞受賞作品では
アイヌを描いた「熱源」
沖縄を描いた「宝島」
そして、今回の満州を描いたこの「地図と拳」
まだまだ明治の影が色濃い現代の日本

国家とはすなわち地図である

西暦でいうところの1941年。その年の12月8日は、いったい何の日だろうか。
「今日は戦勝記念日です」と黄宝林は言った

建築とは避難所である
たとえば国家も建築になっています。国家とは暴力から人間を守るものです。

僕たちが守らなければならないことは、巨大な不要物に使う建材を節約することだけだ。(中略)「巨大な不要物」とは満州のことだ


日本にとって、満州とは何だったのか。著者の小川さんの答えがこの本にあると思います。思います、という表現を使うのは、その答えは読む僕らが読み取ることが必要だからです。それほど、不可思議な本とも言えます。題名の「地図と拳」も僕にはまだしっかり読み解けません。じっくり考えていきたいです。