ゾラ「居酒屋」
バルザックの「人間喜劇」のような作品群のゾラの「ルーゴン・マッカール叢書」の第7巻がこの「居酒屋」
主人公は洗濯女ジェルヴェール。彼女は二人の子供と夫のランチエとパリに移り住んでいたが、このランチエに捨てられる。彼女はひたすらつつましい幸福を願い、ブリキ職人のクーポーと結婚し娘を生む。この娘こそが「居酒屋」の続編とも言える「ナナ」である。
しかし、クーポーが仕事中に屋根から落ち大けがをしてしまう。そこから彼女の人生は少しずつ狂っていく。
僕の疑問は題名の「居酒屋」。どうしてこの題名なのだろうか。物語の中で、ほとんど登場してこない。人生の狂い出した者たちの行先が「居酒屋」のだろうか?しかし、そこはゴールではなく、更なる落ち行く人生のスタート地点とも言えるのか。。。