商店街にある「珈琲屋」そこの主人の行介は避けがたい理由とは言え人を殺してしまった。行介を愛するが故に浮気まで起こして離婚した冬子。そして親友の商店街の自称プレイボーイの島木。こんな珈琲屋の人々のシリーズ第4巻です。
舞台は珈琲店ですが商店街個人経営で登場人物もあのような人々なので、決してお洒落な物語ではありません。この店に訪れるのは人を殺してしまった男の話を聞きたくて訪れる悩みを抱えた人々です。まともな人間の言う解決法は綺麗ごとに思えるのでしょう。ただ、行介は罪を犯したが故に自分の幸せを求めず、非合法な解決法は決して望まないのです。

人の生々しさや生きることの辛さということが、しっかり書かれています。

普通の人は、それぞれ、その人なりの可愛らしさを持っている。本人自身は気がつかないかもしれないけど、普通というのは可愛らしさの代名詞。そして幸せの代名詞でもあるわ
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ざっくりいえば、普通は幸せで、美人は不幸ということ

幸せって味わうものじゃなく、そっと噛みしめるものだと思う。

意地の悪さは、女の可愛さ。