この本もツイッターで著者の間埜さんとやりとりする機会があり、その人柄に触れ読もうと思った本です。間埜さんとしては二作目のものになります。
帯にはSFミステリーとあります。確かに現実には起こりえないことが書かれていますが、僕はラテン文学のマジック・リアリズムではありませんが、マジック・ミステリーといいたいです。
この物語は読む僕らを月の世界へと導いてくれます。物語の中に出てくる「聖月夜」という詩。「せいげつや」はゴッホの「星月夜」に通じるものがあり、ゴッホの描く夜空の如く狂気にも満ちたもの。間埜さんのツイッターのプロフィール画面の背景はゴッホの「星月夜」です。このように作品の中においても、日本語の音というものが上手く使われています。
物語は摩訶不思議な世界に入っていき、上下二段組の文量の多い作品に関わらず、この話の真実は何か知りたいが故に頁をめくる手は止まりません。そして、エンディング。・・・僕らを途方に呉れさすと共に、続きが読みたいと思わせます。
そして、間埜さん自身の月への思いや、人生観というものを示されているのかなと思います。
強く純粋に思うことが大切なのかな・・・
最後に、この物語には「ガンちゃん」という人物が登場します。。。間埜さんに次の作品の主人公にして、と言ってみようかな。。。