モンテ・クリスト伯ことエドモン・ダンテスの復讐の仕上げです。しかし、冷徹な復讐を誓っていたモンテ・クリスト伯ですが、マクシミリアンやエデたちの愛の力のため自分のしてきたことに疑問も出てきます。
エドモンは復讐する相手を単純に殺すというのではなく、自ら破滅に導いていきます。作者のデュマはこのあたりのストーリー展開は、エドモンに同情的であり彼が幸せな余生を送ることができるようにもっていきます。読み手である僕らも十分に満足させてくれます。
この結末は全七巻という長編の「大団円」という言葉がまさしくぴったりです。
この物語の最後の文です。

伯爵さまがおっしゃいましたわ。
人間の智慧は、ただ二つの言葉にふくまれている、と。
待て、しかし希望せよ!