この前読んだ「日本人のために世界史入門」で紹介されてた本です。
安藤正勝さんの本は「物語フランス革命」を読みましたが、それ以上にこの「死刑執行人サンソン」はドラマを読むようでした。
フランス革命の時にルイ16世の死刑執行したのが、ムッシュー・ド・パリと呼ばれる4代目のシャルルーアンリ・サンソン。シャルルの家系は6代続いた死刑執行人です。フランスではそれぞれの町に執行人がいて、パリでの死刑執行人がムッシュー・ド・パリと呼ばれるのです。
そして、一度死刑執行人となった以上、その一族は永遠に続けなければならず、周囲の人々から差別されます。死刑制度がある以上、彼ら一族の悲哀は続いていくのです。
そんな一族の物語と、フランス革命で出くわした4代目のシャルルで、彼が最もよく知られたサンソンです。この本を読むまでは冷酷な人物を想像していましたが、シャルルの悲嘆というものが伝わってきました。
SANSON とは、SANS(・・・なしに)+SON(音)で「音無」という意味。サンソン一族の紋章は割れた鐘の絵です。
死刑の記述は過激なものがありますが、非常に面白い本でした。