村田紗耶香さんの作品は今までに「コンビニ人間」と「地球星人」を読みました。
「コンビニ人間」は面白かったのですが、「地球星人」で挫折しました。表現がどぎつくて自分には合わなかったのです。そして村田紗耶香さんの本はもう読まないと固く誓ってました。しかし、今回「コンビニ人間」が読書会の課題本になってしまい他にもということでこの「生命式」を読みました。
この本は短編集です。最初に表題の「生命式」を読み始めて、やっぱりだめだ、読むの止めようかなと思いました。人口が減った近未来において、生命式とは人が亡くなった時、葬式の代わりにあげる式です。その式では亡くなった人の肉を食べ、新しい生命を育むため受精という名のもとのセックスをします。
そして、二つ目の短編そして三つ目と、、、、
読み進めるうちに、次はどんな過激なことが書かれてるんだという期待が高っていき、思ったほどではないな、というあおの激辛地獄のような世界に嵌っていってしまいました。
これほどまでに現実世界をストレートに批判した小説家がいたのでしょうか。要は今の常識が反対である社会が設定してあるのです。村田紗耶香さん独特の雰囲気があるので、単純なんだけれど微妙なバランスで物語が成立しているのです。
結局、他のも読んでみようという思ってます。ただし、続けては危険ですね。
ハン・ガン(韓江)の『菜食主義者』を思い出しました。