周五郎さんの少年文庫で今回は冒険小説集。
短編八つです。書かれたのが1930年代ですので、太平洋戦争前です。
エチオピアを舞台にしてイタリアと戦うものがあり、日独伊三国同盟を結ぶ前です。
また、日米開戦の話では、空母サラトガが撃沈されます。実際には沈められてません。この物語は休戦協定が結ばれたということで終わってます。
ソ連のことをソビエット・ロシアと書いてます。ヤンキーは蕃猿と表記されています。
この本では冒険小説集とうたっているように活劇シーンがふんだんに記さています。時代小説の中では、こういったシーンを避けているのが周五郎さんらしさなのですが、国策故のことなのでしょう。
ただ、周五郎さんならではのこととして、敵国の少女を登場させ、日本との友好というものをアピールしてます。
表紙はあいかわらず楽しいですね。ツェッペリン号も登場してきますが、戦闘機で突撃して落とすという神風的なことも書かれてます。