友人の結婚式のため故郷の松本で10年ぶりに再会した男二人に女一人の物語。

このシチュエーションでは普通三角関係になりますが、片岡作品になるとトライアングルな関係になってしまうのです。

巻末の解説で映画監督でシナリオライターの竹島将さんがこう書かれてます。

 

くどくどと説明したりはしない。それはその登場人物の登場する場面、風景が余分なものを排除し、極めてドライに、時にはセクシーなハードボイルドとも言える程、仕上がっており、それを見事にバックアップしているからだ。

だから、泣けるところは、ひどく泣ける。

そういう意味で片岡さんの小説は”風景の小説”であるといえるのではないだろうか。

 

今、このような小説を書く作家がいるでしょうか。。。いたら、教えてほしいです。見つからないので、片岡作品を読み続けています。

なお、この竹島さんはご自分のオートバイの事故で亡くなられています。残念です。

 

片岡さんは、この物語を書いたきっかけは、サイモン&ガーファンクルの「ブックエンド」というアルバムを聴いた時なのだそうです。僕はてっきり”Ten Years After”というロックバンドからだと思ったのですが。。。