トーマス・マンがノーベル文学賞を受賞した理由のメインとなっている小説です。
ブッデンブローグ家は北ドイツの商家です。
老ブッデンブローグが屋敷を買ったところから始まり、4代にわたる一家の変遷が描かれています。
副題として「ある家族の没落」とあります。結末が予想できますね。
老ブッデンブローグ亡き後、次男のヨハンが後をつぎます。ヨハンは敬虔なキリスト教徒でありコンズルという敬称がついています。コンズルは執政官というローマ帝国での執政官のことです。家業が次第に傾いていくことが少しずつ記されています。
娘のトーニはハンブルグの商人のもとへ嫌々ながら嫁ぎます。しかし、その結婚は不幸な結果となります。敬虔なキリスト教徒でもあるヨハンは娘のトーニを離婚させて引き取ります。
そしてこの上巻は、ヨハンの死で閉じます。
このブッデンブローグ家を引き継ぐのは長男のトムとなるでしょう。。。
最後にこの物語は北杜夫の「楡家の人びと」のもととなります。