リーチ先生というのはバーナード・リーチのことです。明治末に日本に訪れ、陶芸を学び有名な陶芸家となったイギリス人で、実在の人です。
物語はリーチが戦後日本に訪れ、沖高市という青年の出会いに始まります。高市は父の亀之助がリーチの助手となっていたことを初めて聞きます。そこから、リートと亀之助が陶芸に情熱を注いでいった物語へと発展していきます。このあたりは、マハさんお得意の話のもっていきかたです。
しかし、この亀之助・高市親子はマハさんが生み出した架空の人物で、彼らに関わる話はフィクションと言えます。
マハさんは、亀之助・高市親子とリーチ先生との関りを通して、バーナード・リーチという人物と魅力をうまく描き出していえると思います。また、亀之助・高市親子の陶芸に対する取り組みから、芸術への情熱の素晴らしさというものが感じられます。