周五郎さんの小説以外の作品集です。
周五郎さんの文芸論や「青べか物語」のもとになっている日記が載ってます。そういえば「青べか物語」は読んでなかったことに気づきました。読んでたつもりですが・・・
他に、周五郎さんがなぜ大衆小説家になったとか、直木賞史上で唯一受賞を拒否したこととか。。。
また、こんなことを対談で述べられてます。
僕は、今後僕のような時代小説を書ける作者は出てこないと思いますね。時代小説というと、かつらをつけて、刀を振り回すだけだ。時代背景の描写と、刀を振り回して一ぺんに五人も十人もぶった切るということしかない。小説というのは人間を描くことで、状況を書くことじゃない。小説というのは、極限されたスペースへ無限大のものを描写することで、テーマに関係ないものは木の葉一枚くわえることはできないんですね。
とありますが、「椿三十郎」という映画は周五郎さんの「日日平安」が原作。織田裕二さんじゃなく黒澤明監督、三船敏郎さん主演の方で、その冒頭シーンで、わずか40秒ほどで30人をたたっきる場面は圧巻でした。
僕は時代小説をあまりたくさん読んでませんが、確かに周五郎さんのような時代小説を書かれる方は知りません。山本一力さんが近いかなと思ったこともあります。