作家の佐治勝夫は世界から文字が消えていったらどうなるかという物語を書きます。この本の物語自体が最初から佐治が書いた物語なのです。
最初は「あ」という文字が消えます。すると「愛」も「あなた」も世界からなくなってしまうのです。
僕は夢枕獏さんの「陰陽師」で晴明が言う呪(しゅ)というものを思い出しました。
言葉というものが物の存在を決めてしまいます。哲学です。。。
さて、この物語の題名「残像に口紅を」とはどういう意味なのでしょうか。。。存在の怪しげなものに口紅という色をつければ実存することになるということなのでしょうか。。。また、表紙の絵も僕には?です。この人物は残像なのでしょうか。。。