カバーの絵、気づいた方もおられると思いますが十二国記の山田章博さんです。
もうすぐ十二国記の画集の第二巻が発刊されるそうです。今月の「芸術新潮」で特集されています。
この本を買ったのはジャケ買いもありますが、それは第二の理由で、第一の理由は訳者が川端康成ということだったんです。
何度か触れてますが今年は康成没後50年になります。新潮社では文庫本の新装版が順次発刊されていきます。
もっとも、訳は共訳だそうです。この新潮文庫は、少年少女世界名作文学全集を底本としています。
子供向けということもありますが、康成らしい平易で整った読みやすい文章です。
「小公子」「小公女」は小学校の時読んだ記憶がありますが、今回読んでみて、良い物語ですね。感激しながら読みすすめました。
僕の好きな康成作品は優しい人間が登場してくる物語です。読んでいて「川のある下町の話」や「東京の人」、「古都」などを思い出しました。
巻末に日本で初めてこの物語を訳したときに「小公達」と訳者である若松賤子さんがつけたのですが、いまひとつピンときませんでした。夫に相談したら、「小公子」が提案されたそうです。