直木賞受賞作品。「黒牢城」は買ったのですが,こちらは図書館で予約。やっと回ってきて読み終えました。面白いじゃん。こっちを買った方が良かったなと思い返しております。
三途の川の賽の河原。そこで親より早く死んだ子供たちは石を積み上げます。この賽の河原の「さい」につながる言葉。塞王とは石垣を積む上げる職能集団穴太衆の中でも,天才的な技能を持つ飛田屋の頭に与えられる称号。
主人公の匡介は一乗谷の戦いで親と妹を亡くし,その飛田屋の跡継ぎとなります。
そんな彼らが関ケ原の戦いの前哨戦の京極高次の大津城の戦いに参加します。
石垣を積む職人の話としては,門井慶喜さんの「家康,江戸を建てる」の中にも出てきます。積み上げる石を見て,どう積み上げると崩れることのない石垣を組むことができるのわかってしまうのです。
匡介のライバルとしては,攻める側の国友彦九朗。矛盾と同じく攻める鉄砲と守る石垣の一番を作り上げることで抑止力となり戦の時代が終わることを共に願っているのですが。。。
大津城を城主である京極高次と淀君の妹のお初のキャラクターの設定が上手ですね。
さて,この物語,一般的には多くは知られていない大津城の戦い。寡兵をもって如何に城を守るのか。「ぬぼうの城」のことを思い出しました。また,関ケ原の戦いの中で,細川幽斎守る田辺城の戦いもありますが,こちらも小説になっているのでしょうか・・・・