ムイシキン公爵は,アグラーヤの結婚相手として認められるためにエパンチン家のパーティーに参加します。しかし,そこで彼は自分の感情が抑えられス,思いのままを語ります。その様子が尋常でない故に,結婚は遠のいたと思いきや,アグラーヤはナスターシャとの対面し激論となった挙句,ムイシキン公爵への思いを打ち明けます。ナスターシャは,アグラーヤに対し,ここから出て行け!公爵がついていけばあなたのもの,残れば私のものと言い放ちます。そして,公爵は残り,ナスターシャと結婚することになります。
しかし,ムイシキン公爵が残ったのは,その時のナスターシャの様子が心配だっただけなのです。公爵は純情で人が良すぎる故,そういう行動しかできないのです。ナスターシャ自身は,自分は公爵にふさわしくないと思い続け,これまではアグラーヤに公爵を託そうと思っていたのでした。
これ故,悲劇が訪れます。
結婚式当日,ナスターシャはロゴージンと逃げ,そして,彼女はロゴージンの家で死にます。犯人はロゴージンということです。しかし,彼女が読んでいた本が「ヴォバリー夫人」だったのです。ヴォバリー夫人は夫を裏切った行為故に自殺した人物です。
ムイシキン公爵は,ロゴージンと二人でナスターシャの亡骸と共にし,元の白痴にと戻ってしまいます。