主人公はエミイル・ジンクレエル。副題も「エミイル・ジンクレエルの青春の物語」であり,この本が発刊された時の作者名もエミイル・ジンクレエルでした。後にヘッセが自分の作であるとします。
主人公のエミイルは,フランツ・クロオマアに自分が勇敢だということを示すために嘘で悪事を働いたと言ってしまいます。そのことによりフランツに脅迫されることになってしまいます。それを助けてくれたのがデミアンでした。
デミアンはエミイルにとって,憧れとなります。そんなデミアンからカインの徴の話を聞きます。
神学校へ通いデミアンとしばらく会わなくなったエミイルは再び強がりを見せ,放校寸前までいきます。
そしてデミアンと再び会い,彼の母親であるエヴァ夫人と出会うことで,エミイルは救われていきます。
そんな彼らを襲ったのが第一次世界大戦でした。
青年の成長を描くヘッセならではの作品だと言えます。そして,この物語の中でも,東洋哲学への傾倒というのが感じられます。