今,康成の新刊です。
川端康成が亡くなったのが1972年の3月。今年が没後50年となります。その記念で新潮が出したのがこの本です。
BLが注目されている現在だからこそ,この本が新刊として選ばれたのでしょうか。
50歳の康成が自分の全集が出版されるにあたって,過去を振り返って日記を元にして著述していると形です。自伝的なものでしょうか。。。とすれば,ノーベル文学賞受賞者でありながら,やはり問題作なのでしょう。
ノーベル文学賞の候補にあげられる村上春樹さんなどはマラソンが趣味であって,すごく健全に思えてしまいます。。。
かつての文豪というのはすごいものだ改めて見直してしまいたくなります。
康成さんの作品はつい先日「天授の子」というこれも自伝的な内容でした。今この時において,川端康成という作家自身に触れている僕です。
僕が川端康成を好きだったのは,登場人物が優しいということです。この本の中でも,ご自分でこう書かれてます。

しかし,過去も現在も人々は余りに私に親切であり,あまりに多くの好意が私に恵まれた。私は悪い人間が一人でも世にあることを断じて信じないし,悪というものが私に向けられることがあろうとは思えない。そう信じて安らかな思いにいる。

最後に,日本人としてノーベル文学賞を受賞している作家お二人。川端康成と大江健三郎の作品がもっと読まれてほしいと思っている僕です。